悩みを解消するポイント
化粧品原料プロフェッショナルのPepeです。
日焼け止め製品の中でもよく聞く成分、それは「紫外線吸収剤」ですよね。巷では紫外線吸収剤が肌に悪いとか色々言われていると思います。一方でノンケミカルサンスクリーンのように紫外線吸収剤が配合されていない日焼け止めには紫外線をカットする成分には何が入っているのでしょうか?
今回は化粧品原料プロ視点から紫外線吸収剤ではなく紫外線散乱剤について解説し、市販されている商品の中で化粧品原料プロフェッショナル視点でおすすめ商品を紹介したいと思います。
化粧品成分開発11年の経験を活かした情報提供を行いたいと思っています。化粧品の本質である中身(成分)の理解ができ、本当に自分の合った商品が選べるようになりますよ。
記事を読んで頂けると、使用感や見た目という感覚的な部分だけではなく、化粧品の本質である
中身(成分)が理解出来ると思います。中身が分かると本当に自分の合った商品が選べるようになります。
最終的には、紫外線吸収剤という成分を理解出来
成分を理解した状態で日焼け止め製品を探す事が出来る筈です。
おすすめ商品を先にみたい方はこちらをクリックして下さい。
化粧品原料プロのPepeが本当の意味でオススメしている商品をまとめています。
このブログを読む前に日焼け止めに興味がある方は、紫外線吸収剤に関してのブログを確認していただけるとより理解が早いですよ。
紫外線散乱剤について解説
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紫外線散乱剤って何?(紫外線吸収剤ではなく紫外線散乱剤です。)
Pepeさん
紫外線散乱剤ってなんですか?
その名の通り、紫外線を散乱してくれる成分です。
Pepeさん
何言っているかわかりません。
もう少しわかり易く🙏お願いいたします。
勿論です!紫外線吸収剤のブログでも話しましたが、紫外線は肌にダメージをもたらします。
太陽には紫外線という目には見えない波長の光が入っています。これは肌にあたると炎症と黒くなる作用があります。
はい。紫外線が肌やもっと奥の肌の中までダメージを受ける事この前話してくれたので理解しています。紫外線散乱剤という成分は紫外線を散乱してくれるという意味なんでしょうか?
はい!まさにそのとおりです。
紫外線散乱剤は紫外線吸収剤とは違いUVを散乱してくれます。
散乱という言葉が難しいので、分かり易く話すと反射ですね。
鏡のようにUVを反射して皮膚をUVから防御してくれます。
その数値がPAとかSPFっていう事でしょうか?
その通りです。
PAとかSPFがその紫外線をどれだけ防御出来るかの数値です。
今から紫外線散乱剤の効果と紫外線吸収剤と何が違うかを説明していきますね。
以前、本ブログで解説した
日焼け止め ノンケミカル、ケミカル?も参考下さい
↓
紫外線散乱剤はどのようにUVカットするの?
紫外線散乱剤は上記で話したように紫外線を鏡のように反射してくれる成分です。
基本的には2つの成分がメインで日本では使用されていま。
- 酸化チタン
- 酸化亜鉛
両方ともの特徴を説明します。
酸化チタン
酸化チタンは無機の粉体です。見た目は白い粉です。世の中にある白い色にはこの酸化チタンが入っている事が多いです。例えば白い塗料には酸化チタンが使用されます。パウダーファンデーションの白さを出すにもこの酸化チタンが使用されます。酸化チタンは非常に隠蔽力(他の色を隠す効果)が高く、様々な素材で使用されています。一方で紫外線散乱剤に入れると真っ白になってしまいますよね?そこは日本の素晴らしい技術力で酸化チタンを微粒子化(更に小さくする事)して白さを抑えて紫外線散乱剤効果を高めた微粒子酸化チタンが日焼け止めには使用されています。一般の表示名称は両方とも酸化チタンなので分かりにくいですが、日焼け止めの成分表示に記載されている酸化チタンは基本的には微粒子酸化チタンが多いです。また、酸化チタンはUV-Bの防御作用が強い成分です。
上記のように大きさが違う酸化チタンを使用しています。
酸化チタン:白い顔料として使用、パウダーファンデーションやメイク商品
微粒子酸化チタン:UV散乱剤として使用、日焼け止め、SPFに効く成分
酸化亜鉛
酸化亜鉛も酸化チタン同様に無機の粉体です。見た目は酸化チタンと同じように白い粉です。こちらの効果はUV-Aを防御する効果に優れています。酸化亜鉛も普通の大きさではまっ白な粉なので、微粒子化して白さを抑えUV散乱効果を高めています。
酸化亜鉛&酸化チタンの見た目は上記のような白い粉です。
微粒子酸化亜鉛:UV散乱剤として使用、日焼け止め、PAに効く成分
おさらいですが、日焼け止めの数値の目安は下記です。
分類表示 | 意味 |
---|---|
PA+ | UVA防止効果がある |
PA++ | UVA防止効果がかなりある |
PA+++ | UVA防止効果が非常にある |
PA++++ | UVA防止効果が極めて高い |
紫外線の影響
日々の生活で紫外線を浴びるとたった数分で活性酸素が生じます。これにより肌はダメージを受け、しみやしわの原因になります。
UVA(PAの値)は肌の深くに入り、黒くするだけではなくシワやたるみを引き起こします。
UVB(SPFの値)は肌の表皮に炎症を起こします。
要するに日焼け止めは超重要だという事です。
左の図の解説
紫外線が肌のどの部分まで到達してどのような影響があるかを模式的に表わしてます。見ての通り紫外線は肌への影響性が高いです。
- シミ
- タルミ
- シワ
- そばかす
- 炎症
- 黒化
紫外線は皆さんのお肌の悩みで多い上記の現象を引き起こします。
ノンケミカルサンスクリーン:紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の関係
紫外線散乱剤は紫外線を散乱(ここでは分かり易く反射)出来る成分です。
紫外線吸収剤は紫外線を吸収出来る成分です。
紫外線を防御する成分は紫外線吸収剤と紫外線散乱剤に分かれます。
今回は紫外線吸収剤にフォーカスしますが、よく巷でノンケミカルサンスクリーンと言われている商品は紫外線吸収剤ではなく、紫外線散乱剤のみで日焼け止めを作っている製品の事を指します。紫外線散吸収剤は基本有機化合物(一般的にはケミカル)、紫外線散乱剤は無機化合物(一般的にはミネラル)と呼ばれるからです。別途解説しているブログも再度記載しておきます。
●紫外線散乱剤として使われている成分
・酸化チタン
・酸化亜鉛
など
上記の紫外線散乱剤は紫外線を反射します。
紫外線を吸収するというプロセスがないので、一般的にはより安全性が高いと言われています。
要するに:紫外線散乱剤は紫外線を反射出来るという事ですね。
●紫外線吸収剤として使われている成分
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
・メトキシケイヒ酸オクチル
・パラメトキシ桂皮酸エチルヘキシル
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
・オクチルトリアゾン
・オクトクリレン
など
上記の紫外線吸収剤はその成分自体が紫外線を吸収して変化します。
(難しい言葉では基底と励起状態を繰り返す)
紫外線を吸収した紫外線吸収剤は熱エネルギーに変換して元に戻ります。
要するに:紫外線吸収剤は紫外線を吸収出来るという事ですね。
紫外線散乱剤と紫外線吸収剤どっちが安全なの?
結論としてどっちも安全だと思います。
勿論、これからの文献データ等で人体へに安全性に対して何か証明されるかもしれませんが、日本では紫外線散乱剤も紫外線吸収剤もしっかり安全性を確認している成分です。
上記の紫外線散乱剤も紫外線吸収剤も日本では使用する際には許可が必要な成分です。海外では使用出来ても日本で使用出来なかったり、日本で使用出来ても海外で使用出来なかったりと複雑です。日本で許可を得るために人への安全性を担保し、製品に入る配合量の上限も決められていますので安全性的には問題ない成分です。
紫外線散乱剤と紫外線吸収剤は何故使い分けるの?
これは難しいポイントです。
紫外線散乱剤:酸化亜鉛、酸化チタンは粉ですね。これは水にも油にも溶けない成分なので処方の中に綺麗に分散(均一に混ぜる)させないと上手く機能しません。
散乱剤のみの処方
メリット:ノンケミカルサンスクリーン、市場では安全性が高いというイメージ、
デメリット:白くなる、粉を入れると処方化が難しい、特殊な設備が必要
紫外線吸収剤:こちらは主に油に溶ける成分なので、入れるのは簡単なのですが、屈折率(油のピカピカ光る量の事)が高くいっぱい入れると製品にギラつきが生じてしまいます。
吸収剤のみの処方
メリット:油剤に溶けるので使用性が高い、色々な効果のある成分から選ぶ事が出来る
デメリット:市場では安全性が低いというイメージ、基本屈折率(ギラつく油剤)が高い、
一般的には日焼け止めを処方化する時は、紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の良い所を上手く活用して処方化(製品化)する事が多いです。ただ、水と油と粉 3成分が入る難しい処方になりますね。
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