化粧品全成分表示:ガイドライン、表示のルール、薬機法を理解すると美容成分高配合化粧品が分かります。
化粧品原料プロフェッショナルのPepeです。
皆さんは化粧品や医薬部外品商品を購入して箱や容器の裏に書いてある呪文のような文字読んでいますか?下記はちふれ化粧品さんの成分表示ですが呪文にしか見えないと思います。
実は化粧品成分は書き方にルールがあるのです。
ちふれ化粧品さんは中身の配合量まで記載しています。
グリセリン 8.00%
BG 4.00%
グリチルリチン酸2K 0.04%
トレハロース 0.03%
ヒアルロン酸Na 0.01%
エタノール 4.01%
PEG−50水添ヒマシ油 0.30%
メチルパラベン 0.20%
フェノキシエタノール 適量
クエン酸Na 適量
クエン酸 適量
酢酸トコフェロール 0.01%
基剤 水 全量を100%とする
今回は化粧品原料プロ視点から化粧品表示名称(化粧品配合成分)について解説し、美容成分が高配合されている化粧品を解説したいと思います。
化粧品成分開発11年の経験を活かした情報提供を行いたいと思っています。化粧品の本質である中身(成分)の理解ができ、本当に自分の合った商品が選べるようになりますよ。
記事を読んで頂けると、使用感や見た目という感覚的な部分だけではなく、化粧品の本質である
中身(成分)が理解出来ると思います。中身が分かると本当に自分の合った商品が選べるようになります。
成分を理解した状態で自身が求めている化粧品を探す事が出来る筈です。
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化粧品表示名称について解説
表示名称とは?
Pepeさん
化粧品を購入すると、箱や製品の裏に呪文のような文字が書いてますよね?
例えばグリセリンとかBGとかです。
はい。これは正式名称では化粧品表示名称と言います。
全ての化粧品は配合している成分を表示名称という決められた表示で記載しないといけないです。
先程記載したグリセリンとかBGといった表示の事でしょうか?
その通りです。
配合されている成分を裏に記載する事は法律で決められています。表示の方法もしっかり法律で決まっています。例えばビタミンCは表示名称ではアスコルビン酸と表示され、ビタミンAはレチノールと表示され、ビタミンB3はナイアシンアミドと表示されます。
全部名称が決まっているんですね。
はい。ルールの中で表示をしていますね。
なるほど。
では、その表示の順番等のルールもあるのですか?
はい!!良い質問ですね。
化粧品の表示は1%以上は入っている配合量の多い順番で記載され、1%以下は順不同です。
- グリセリン 2%
- BG 3%
- DPG 0.1%
- レチノール 0.0001%
上記のような配合量の場合表示的には下記になります。
- BG
- グリセリン
- DPG レチノールどちらでも良い
レチノールは0.0001%しか入っていないですが、DPGより前に表示出来るんです。上から3番目に表示されているとそれなりの配合量が入っていると思いますよね。
そうなんですね!えっ
という事は、すごく少量だけ入れても裏には表示出来るという事ですよね?
そうなんです。
その辺りが凄く重要ですね。
今回は裏話的な話になりますが、色々と解説しようと思います。
化粧品表示名称のルール
化粧品の表示のルールは下記です。
赤字部分を読んで下さい!
(1) 成分の名称は、邦文名で記載し、日本化粧品工業連合会作成の「化粧品の成分表示名称リスト」等を利用することにより、消費者における混乱を防ぐよう留意すること。
(2) 成分名の記載順序は、製品における分量の多い順に記載する。ただし、1%以下の成分及び着色剤については互いに順不同に記載して差し支えない。
(3) 配合されている成分に付随する成分(不純物を含む。)で製品中にはその効果が発揮されるより少ない量しか含まれないもの(いわゆるキャリーオーバー成分)については、表示の必要はない。
(4) 混合原料(いわゆるプレミックス)については、混合されている成分毎に記載すること。
(5) 抽出物は、抽出された物質と抽出溶媒又は希釈溶媒を分けて記載すること。ただし、最終製品に溶媒等が残存しない場合はこの限りでない。
(6) 香料を着香剤として使用する場合の成分名は、「香料」と記載して差し支えないこと。
要するに化粧品の成分表示は配合量1%以下は順不同で構わないと言っていますね。
一方で1%以上は多い順に記載すると書いてます。
化粧品表示名称の順番で配合量を予想
単純に1%以上は多い順番、それ以下は順番は関係ないという事ですね
最近売れているハトムギ化粧水の分析をしてみます。
- 1%以下は順不同
- 1%以上は多い順番に表示
水、DPG、グリセリン、ハトムギ種子エキス、メチルパラベン、エタノール、(エチレン/アクリレーツ)コポリマー、クエン酸Na、クエン酸、BG、ヨモギ葉エキス、ヒキオコシ葉/茎エキス、ユズ果実エキス
上記の順番は多い順です。
1%以下ポイントは恐らくハトムギ種子エキスから順不同だと思います。あくまでも予想ですが、原料プロ視点です。
では、それぞれの成分を解説してきます。
- 水:説明不要ですね
- DPG:保湿剤
- グリセリン:保湿剤
- ハトムギ種子エキス:この商品コンセプト成分です。恐らく1%以下の配合だと予想します
- メチルパラベン:防腐剤です。基本処方中1%以下の配合なのでここから確実に1%以下成分です
- エタノール:恐らく下記のポリマーや他のエキスを溶かしたりしている溶剤として入ってきてしまっているのではないかと予想します。
- (エチレン/アクリレーツ)コポリマー:これは濁り剤ですね。この化粧水を白くしている成分です
- クエン酸Na:pH調整剤
- クエン酸:pH調整剤
- BG:保湿剤ですが、恐らくエキスを溶かすために使用されて入ってきている成分です。
- ヨモギ葉エキス:植物エキス
- ヒキオコシ葉/茎エキス:植物エキス
- ユズ果実エキス:植物エキス
こちらの商品は水、DPG、グリセリンで98%~99%ぐらい構成されていると思います。
これは批判ではなく配合量予想をしているだけで、化粧品はDPGやグリセリンの組み合わせ一つで感触は全然変わりものなので、各社特徴を出せるポイントでもあります。
ではSk-Ⅱのフェイシャルトリートメントエッセンスを見てみましょう。
SK-Ⅱ フェイシャルトリートメントエッセンス
ガラクトミセス培養液(ギュウニュウ)、BG、ペンチレングリコール、水、安息香酸Na、メチルパラベン、ソルビン酸
7つの成分を混ぜ合わせたモノがSk-Ⅱの フェイシャルトリートメントエッセンス ととなります。
上記の順番は多い順で恐らく1%以下ポイントは恐らく安息香酸Naから順不同だと思います。あくまでも予想ですが、原料プロ視点です。
では、それぞれの成分を解説してきます。
- ガラクトミセス培養液(ギュウニュウ):ピテラの事ですね
- BG:保湿剤
- ペンチレングリコール:防腐効果のある保湿剤
- 水:水です
- 安息香酸Na:防腐剤(配合量1%以下だと思います)
- メチルパラベン:防腐剤
- ソルビン酸:防腐剤
こちらの商品はガラクトミセス培養液(ギュウニュウ)、BG、ペンチレングリコールで98%~99%ぐらい構成されていると思います。勿論ピテラが一番最初に来ているという事はSK-IIの化粧水はピテラが一番配合量が多く入っている商品だという事です。SK-IIがこれほどのまでヒットしている理由はピテラという原料が自社成分である事、その成分を惜しみなく使用する事で唯一無二の商品にしているというポイントが成分情報からも分かります。
化粧品表示と医薬部外品の全成分表示名称
化粧品の全成分表示は厚生労働省で義務付けられており、原則として、日本化粧品工業連合会が作成する「化粧品の成分表示名称リスト」を用いて記載するとされております。一方、医薬部外品の全成分表示は、日本化粧品工業連合会の自主基準として行われており、原則として、厚生労働省に薬事申請した名称で表示することとされております。従って、同じ成分でも化粧品と医薬部外品で異なる名称になる時があります。
ここは凄く難しいので、化粧品の成分表示と医薬部外品の成分表示は違う書き方になるという点を理解して頂ければ大丈夫です。
Pepeおすすめ特徴的化粧水
今回は化粧品原料プロフェッショナルのPepeが特徴的な美容成分を惜しみなく使っているであろう商品をプロ視点からピックアップしていきたいと思います。
Pepeおすすめ美容成分たっぷり化粧水
①SK-Ⅱ フェイシャルトリートメントエッセンス
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
先程も紹介したSK-II
フェイシャルトリートメントエッセンスは別格です!
ガラクトミセス培養液(ギュウニュウ)、BG、ペンチレングリコールで98%~99%ぐらい構成されていると思います。勿論ピテラが一番最初に来ているという事はSK-IIの化粧水はピテラが一番配合量が多く入っている商品だという事です。SK-IIがこれほどのまでヒットしている理由はピテラという原料が自社成分である事、その成分を惜しみなく使用する事で唯一無二の商品にしているというポイントが成分情報からも分かります。
Pepeおすすめ美容成分たっぷり化粧水
②アルビオン フローラドリップ
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
SK-IIさん同様にこちらもアルビオンさん独自成分である発酵液を惜しみなく使っている製品です。全成分表示も下記
アスペルギルス(カワラヨモギ/ヤグルマギク)花/葉/茎/(ヤマヨモギ/メリッサ/タチジャコウソウ)葉/茎、発酵液が一番最初にきていますね。KOSEさんグループのアルビオンさんの商品はコーセーさんの技術力が使われていて高価格帯の商品には様々な技術が使われていますよ。こちらも唯一無二な商品となっています。
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③Avene アベンヌウォーター
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
フランスの医薬品メーカーのピエールファーブルさんが販売している商品アベンヌウォーターです。アベンヌはフランスのアベンヌ村にある温泉水を使った化粧水です。アベンヌ温泉水は山地に降った雨がフランスで最も古い複雑な地層を50年以上かけて通り抜けて得られる温泉水だそうです。確かに特徴的な使用感があり、Pepeも好きな商品です。下記がアベンヌ村です。
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④オバジC25セラム ネオ
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
ビタミンC大好きのロート製薬さんが出すオバジシリーズ
他の商品もビタミンCが高配合されていますが、こちらはダントツに配合量が多いと思います。全成分はでもビタミンCの表示名称であるアスコルビン酸が水より前に記載されています。ビタミンC特にピュアなビタミンCであるアスコルビン酸は非常に効果の高い成分ですが、壊れやすい成分でもあるため、安定化が非常に難しいです。ロートさんはメラノCCでもピュアビタミンCを安定化していますが、オバジの高配合ビタミンCを化粧水も非常に効果が高いと思います。
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