悩みを解消するポイント
化粧品原料プロフェッショナルのPepeです。
化粧品マーケットやインターネットでは防腐剤が危険という話よく聞きますよね。
今回は皆さんもよく目につく防腐剤フリー化粧品について解説し、市販されている商品の中で化粧品原料プロフェッショナル視点でおすすめ商品を紹介したいと思います。
化粧品成分開発１１年の経験を活かした情報提供を行いたいと思っています。化粧品の本質である中身（成分）の理解ができ、本当に自分の合った商品が選べるようになりますよ。
今回は防腐剤フリーというキーワードがどのように着目されたかも解説していきたいと思います。
記事を読んで頂けると、使用感や見た目という感覚的な部分だけではなく、化粧品の本質である
中身（成分）が理解出来ると思います。中身が分かると本当に自分の合った商品が選べるようになります。
最終的には、防腐剤フリーという意味を理解し、
商品を理解した状態で防腐剤フリー化粧品を探す事が出来る筈です。
おすすめ商品を先にみたい方はこちらをクリックして下さい。
化粧品原料プロのPepeが本当の意味でオススメしている商品をまとめています。
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敏感肌用化粧品に関してはこちらのブログを参考にして下さい。
防腐剤フリーについて解説
腐らなくするのが防腐
Pepeさん
防腐剤って何なのですか？
商品を腐らなくするための成分です。
Pepeさん
全く良くわかりません。もう少しわかり易く話して頂けますか？
勿論ですよ。例えばコップに水を入れて1週間放置してみて下さい。
水の中に浮遊物が出て濁ってきます。これが腐るという現象ですね。
実際には微生物が水の中で増殖しています。
腐るという事はわかります。
防腐剤とは腐らなくするための成分ですよね？
はい、その通りです。
腐るという事はイコール菌が繁殖するという事です
そうなんですね。
でわ、防腐剤というのは菌を抑えるためなんですか？
凄い！その通りです。
世の中の防腐剤は全て菌の繁殖（菌が増える事）を抑える成分です。
まずは防腐剤を解説していきますね♫
防腐剤とは
防腐剤とは微生物（菌）の育成を防ぎ商品を腐らなくする成分です。
微生物自体を倒したり、増殖（増えていく事）防いでくれます。
一般的に化粧品に配合が出来る防腐剤は下記です。
化粧品の防腐剤
| 成分名 | 100g中の最大配合量（g） |
|---|---|
| 安息香酸 | 0.2 |
| 安息香酸塩類 | 合計量として1.0 |
| 塩酸アルキルジアミノエチルグリシン | 0.20 |
| 感光素 | 合計量として0.0020 |
| クロルクレゾール | 0.50 |
| クロロブタノール | 0.10 |
| サリチル酸 | 0.20 |
| サリチル酸塩類 | 合計量として1.0 |
| ソルビン酸およびその塩類 | 合計量として0.50 |
| デヒドロ酢酸およびその塩類 | 合計量として0.50 |
| トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル （別名 トリクロサン） | 0.10 |
| パラオキシ安息香酸エステルおよびそのナトリウム塩 | 合計量として1.0 |
| フェノキシエタノール | 1.0 |
| ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム | 0.030 |
| レゾルシン | 0.010 |
上記は厚生労働省から発行されている化粧品基準に記載されている防腐剤で「ポジティブリスト」と呼ばれている成分です。要するに配合しても良いけど、配合出来る量に決まりがあるという事ですね。
防腐剤の配合上限は国で定められています。
パラベンも国が使用して良いと決めた防腐剤の一つです。
防腐剤って刺激があるの？
上記の容量を超えなければ問題ないと思います。
各社防腐剤の量も調整し、最小限で使用期限である3年間を維持するために努力しています。
また、最近ではRIPT試験や人パッチ試験（両方刺激を見る試験）を実施してから商品を出しているメーカーさんも多いので、そのような商品では防腐剤が原因で皮膚疾患のように大きな問題になる事は聞きません。気になる方は上記の刺激テスト済み製品の購入をお勧めます。
3年間の使用期限を保証するために防腐は化粧品に不可欠です。
化粧品の保証期間に関しては下記ブログを参照下さい。
防腐剤を入れないとどうなるの？
腐ります。。。
要するに微生物が発生して腐っていきます。濁ったり、変な臭いがします。
防腐が難しい商品は下記のような商品です。
シャンプー：水が多い処方かつ、お風呂という高温多湿空間に常時ある。高温多湿空間は菌が繁殖するにに非常に良い環境です。
クリーム：特にジャータイプで指でディップする商品は、指についている菌をクリームに入れているのと同じになるので結構大変です。商品は腐らないように設計されてますが、スパチュラ（アイスクリームスプーンみたいな）で取る事をおすすめします。
因みにコンディショナーも水が多い処方なのですが、成分にカチオンという菌に強い成分が入っているので、シャンプーよりは防腐に関しては強いです。
腐らなくする成分を入れないと化粧品は腐ります！
防腐剤フリー化粧品が腐らないのは何故？
Pepeさん
ますます分からなくなりました。
何で防腐剤フリー化粧品は腐らないのですか？
そうですよね。
今まで話した事を下記にまとめてみいますね。
- 化粧品に配合出来る防腐剤は厚労省が決めている
- 防腐剤は配合出来る量が決まっている
- 化粧品は防腐効果のある成分を入れないと腐る
- 世の中には防腐剤フリーという商品が存在する
ポイントは防腐剤と防腐効果のある成分です。
防腐剤というのは厚労省が定めたリストの載っている成分を表します。という事はそのリストに記載されていないが、防腐効果のある成分を配合すれば防腐剤フリーという事になりますよね。
何だか狐につままれるような感覚かもしれませんが、防腐剤フリー商品の殆どが厚労省が定めた防腐剤を使用せず、そのリストには記載されていないが、防腐効果のある成分を配合して腐らなくして防腐剤フリー商品として発売しています。そういう意味では防腐剤フリーだからといって刺激が少ないとか、安心という事には繋がらないという事なんです。
防腐剤フリーやパラベンフリーという言葉に踊らされず、本質を見て防腐剤フリー製品を選んだ方が良いと思います。
結局、防腐剤フリーやパラベンフリー商品を購入していると思いきや、防腐効果成分てんこ盛りの化粧品を買っているかもしれません。
本末転倒ですよね。。。
防腐剤と防腐効果のある成分に刺激はあるの？
実際Pepeは化粧品原料として扱いがありますので、触った事があります。
まず防腐剤ですが、100％で触るとスティンギング（ピリピリ）する成分もありますが、定めた量であればPepeの場合は問題ありませんでした。
一方防腐効果のある成分ですが、こちらも成分にもよりますが100％で触るとスティンギングがある成分もありました。これは人それぞれで一概に言えませんが、防腐剤も防腐効果のある成分も配合する量によっては刺激が出ると思います。ただ、防腐剤は化粧品に配合される場合配合上限があるので、ある意味成分の配合量の上限が分からない防腐効果のある成分の方が判断が難しいです。
化粧品原料プロのPepeでも判断が難しいです。
Pepeが化粧品の刺激を気にするのであれば、防腐剤フリーやパラベンフリーというより、その商品が「RIPT試験」「人パッチ試験」等の刺激テストをパスしているかは一つの目安になると思います。
防腐効果のある成分
よくある防腐効果のある成分は下記となります。
- エタノール
- BG
- PG
- DPG
- ○○グリコール
- ○○ジオール
- オクトキシグリセリン
- アルキル基が短いポリグセリン脂肪酸エステル
- カチオン界面活性剤全般
グリコール類は保湿剤としても使用出来る成分です。
種類によりますが、20％以上入れると防腐可能ですが、その量を入れるとかなりベタつきますので、それだけで防腐するという事はあまりないですね。各社、防腐剤と上記のような成分を上手く組み合わせて商品を安定化（腐らない）ようにしています。
注：刺激は様々な原因がありますので、上記の成分が刺激だと言っている訳ではありません。
本当の防腐剤フリー商品
Pepeが見る限り、パラベンフリーでもパラベン以外の防腐剤（例：フェノキシエタノール等）が入っている商品も多く、防腐剤フリーの商品も防腐剤以外の防腐効果がある成分が大量に入っているケースが多いと思います。それが良いかどうかではなく、防腐剤フリーというキーワード＝刺激が少ないと思っていた方は事実として理解しておいた方が良いと思いました。本当に防腐剤や防腐効果のある成分を使用せずに化粧品を作って3年持たせる場合は、下記のような使い切りコスメであれば可能だと思います。CACさんが使い切りで防腐剤なしの商品を製造しています。Pepeは防腐剤は使用派ですが、もし防腐剤や防腐効果成分を配合していない商品を一度使用してみたいという事であれば、試してみても良いかもしれませんね。これは本当の防腐剤フリー商品ですね。
Pepeは防腐剤を適切配合している化粧品派です。
刺激が気になる方は、刺激テスト済（RIPTや人パッチ）の商品をおすすめします。
本当の意味での防腐剤フリーという商品は使い切りコスメで下記のCACさんが販売しています。
CACホームページより抜粋
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