2022年ランキング上位商品アリー、アネッサ、新たな剤形であるスティックやスプレーも成分解析して解説します。
※2022年8月27日更新
化粧品成分プロフェッショナルのPepeです。
日焼け止め製品はどれを選んだら良いのかが凄く分かりにくいとよく相談を頂きます。紫外線吸収剤が肌に悪いとかノンケミカルサンスクリーンのように紫外線吸収剤が配合されていない商品は白浮きするとかですね。
今回は化粧品成分プロ視点から
自身の生活スタイルに合わせ
どのような日焼け止めが必要か
を解説し、市販されている商品の中で化粧品原料プロフェッショナル視点でおすすめ商品を紹介したいと思います。
化粧品成分開発11年の経験を活かした情報提供を行いたいと思っています。化粧品の本質である中身(成分)の理解ができ、本当に自分の合った商品が選べるようになりますよ。
記事を読んで頂けると、使用感や見た目という感覚的な部分だけではなく、化粧品の本質である
中身(成分)が理解出来ると思います。中身が分かると本当に自分の合った商品が選べるようになります。
最終的には日焼け止めを理解した状態で
ご自身に合った日焼け止め製品
を探す事が出来る筈です。
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日焼け止めは超重要!紫外線の影響を解説
紫外線から見を守るのは【日焼け止め】
Pepeさん
最近、口コミとかでよく日焼け止めが重要と目にします。
日焼け止めって何故重要なんですか?
日々の生活で紫外線を浴びるとたった数分で活性酸素が生じます。
これにより肌はダメージを受け、シミやシワの原因になります。
えー。
紫外線ってそんなにダメージがあるんですか?
はい、紫外線吸収剤のブログでも話しましたが、紫外線は肌にダメージをもたらします。
太陽には紫外線という目には見えない波長の光が入っています。これは肌にあたると炎症と黒くなる作用があります。
左の図の解説
紫外線が肌のどの部分まで到達してどのような影響があるかを模式的に表わしてます。見ての通り紫外線は肌への影響性が高いです。
紫外線は皆さんのお肌の悩みで多い下記の現象を引き起こします。
日焼け止めはスキンケア
といって過言ではないと思います。
- シミ
- タルミ
- シワ
- そばかす
- 炎症
- 黒化
自分に合った日焼け止め
自分に合った日焼け止めを選ぶには世の中にある日焼け止めの種類を理解する必要があります。
日焼け止めの種類 O/W乳化とW/O乳化
日焼け止めの種類はまずO/WとW/Oがあります。
これは乳化(水と油を混ぜる方法)の種類です。
W/O:オイルインウォーターのことで下記の図でいうと右側の乳化方法です。
O/W:ウォーターインオイルのことで下記の図でいうと左側の乳化方法です。
乳化の方法は2つ
日焼け止めもクリームも乳液も基本的には乳化物(水と油と界面活性剤)になりますので、左記の図のようにO/WかW/Oのどちらかの乳化方法になります。
左記の図は理解しなくでもOKですので、下記を覚えておいて下さい。
O/W:みずみずしい
W/O:化粧持ちが良い
一般的には下記のように分類されます。
O/W
・乳液
・乳化タイプのオールインワンゲル
・クリームのさっぱりタイプ
・日焼け止め(みずみず感触)
番外編:牛乳、マヨネーズ、
W/O
・しっとりタイプのクリーム
・リキッドファンデーション
・日焼け止め(汗や皮脂に強いタイプ)
番外編:マーガリン
先ずここでは
日焼け止め
O/WとW/Oの2種類
があるという事を覚えておいて下さい。
O/W W/O メリット・デメリット
前章で日焼け止めの種類はまずO/WとW/Oがありという事がわかりましたね。
W/O:オイルインウォーター
O/W:ウォーターインオイル
下記にメリット・デメリットをまとめてみましょう。
左側がO/W 右側がW/Oです↓
O/W乳化メリット
・みずみずしい感触
・洗い流し性が良い
O/W乳化デメリット
・化粧持ちしない
・油剤を高配合する事が難しい
W/O乳化メリット
・しっとした感触
・油剤がベースで化粧持ちが良い
(汗や皮脂に強い)
W/O乳化デメリット
・ベタつく
・水では落ちにくい
上記のように
O/W、W/Oは一長一短で上手く使いこなす
必要があります。
O/W W/O 日焼け止めでのメリット・デメリット
O/W日焼け止めメリット
・みずみずしい感触
・洗い流し性が良い
O/W日焼け止めデメリット
・水、汗、皮脂に弱い
・水側(外層)に紫外線吸収剤、散乱剤を配合するのが処方上難しい
W/O日焼け止めメリット
・水、汗、皮脂、にも耐えれる
・紫外線吸収剤、散乱剤を油剤に分散しやすい
W/O日焼け止めデメリット
・油剤ベースなのでベタついたりギラつく
・なかなか落ちない
要するに、全てを叶える事は出来ないということです。
イケメンで、歌も上手くて、スタイルがよくて、性格が良い人はいるかもしれませんが、
みずみずしい感触(O/W)、皮脂や汗に強くて(W/O)、すぐに水で洗流せて(O/W)、SPFやPAが高く(W/O)、白くならならない(散乱剤フリー)、
日焼け止めは無いのです。
各社目指していて良い所まで来ている製品はありますが、なかなか難しいのです
製品の特徴を理解して使い分ける事が重要
だとPepeは思っています。
日焼け止めの使い分け方法
日焼け止めはシチュエーションによって使い分けが重要
上記の指標が一番わかり易いと思います。
①散歩や買い物などの日常生活
②野外での軽いスポーツやレジャーなど
③炎天下でのレジャーやマリンスポーツ
使い分ける判断はこちら
①散歩や買い物などの日常生活:
基本は屋内にいて、通学をする学生、通勤をするOL、主婦の方は①に該当します。
②野外での軽いスポーツやレジャーなど:
①プラス野外で活動する時間が1時間~2時間ぐらいの方はこちらに該当します。部活動、ジョギング、ランニング、テニス(野外)
③炎天下でのレジャーやマリンスポーツ:
日中ずっと野外で過ごすようなシチュエーションですね。
そして上記をO/W、W/Oに落とし込むとPepeのおすすめは下記になります
O/W日焼け止め
・SPF1~50+(30前後の商品が多い)
・PA+~++++(PA++前後の商品が多い)
・紫外線吸収剤のみで構成
・紫外線吸収剤と紫外線散乱剤併用
・ノンケミカル(紫外線吸収剤なし)
・みずみずしい感触
・洗い流し性が良い
W/O日焼け止め
・SPF1~50+
・PA+~++++
・紫外線吸収剤のみで構成
・紫外線吸収剤と紫外線散乱剤併用
・ノンケミカル(紫外線吸収剤なし)
・水、汗、皮脂、にも耐えれる
・紫外線吸収剤、散乱剤を油剤に分散しやすい
最終的にはO/W、W/Oの日焼け止めを下記のシチュエーションで使い分けがベストです。
①散歩や買い物などの日常生活:O/W
みずみずしい感触で毎日使用しても嫌にならない、服についても白くならないのがPepeは好き
出来れば安価で自宅やオフィスにも置いておきたい。
②野外での軽いスポーツやレジャーなど:W/O&O/W
スポーツの場合は汗に特化している対応や被膜が強いタイプをPepeであれば選びます。そういう意味ではW/Oのタイプをチョイスする事が多いです。
③炎天下でのレジャーやマリンスポーツ:W/O
これはもう最強のタイプを選びます。SPFとPAも最高かつ皮脂、汗、水に強いものを選びますね。汗に強いタイプは海水にも強いので効果的です。基本的にはシャワーで流す時に必ずクレンジングオイル(オイルが一番良いです)でしっかり洗い流す事が大切です。
日焼け止めのポイントまとめ
日焼け止めのまとめ
少し難しかったのでここで一旦簡単にまとめたいと思います。
- 紫外線はシミ、シワ、タルミ等老化の原因となる
- 紫外線を防御する方法は日焼け止めを塗る事なので、
日焼け止めはスキンケアと同じぐらい重要 - 日焼け止めにはO/WとW/Oの2種類の乳化方法がある
- O/Wはみずみずしい感触で、汗や皮脂に弱い
- W/Oは少し重い感触だが、汗や皮脂に強い製品が多い
- 化粧品原料プロPepeのおすすめは
自身の生活に合わせて日焼け止め製品を使い分ける事 - 日焼け止めの詳細な情報と使い分け方法は続きをどうぞ!
化粧品成分プロ視点でのおすすめ日焼け止め シチュエーション別
自身の生活に合わせて選んで下さい
カテゴリー①散歩や買い物などの日常生活
基本は屋内にいて、通学をする学生、通勤をするOL、主婦の方は①に該当します。
カテゴリー①に該当する方はPepe的にはO/Wの日焼け止めをおすすめします。
理由:みずみずしい感触で毎日使用しても嫌にならない、服についても白くならないのがPepeは好き、出来れば安価で自宅やオフィスにも置いておきたい。
カテゴリー① 日常的に使用出来るO/W日焼け止め
ニベアUV ウォータージェル SPF35 / SPF35 / PA+++ / 本体 / 80g
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
紫外線吸収剤のみで構成されているので白浮きしません。O/Wのみずみずしい使用感で日焼け止め特有のベタベタ感が一切ありません。また、服についても白い後が残ったりもせず、忙しい日常生活で何も気にせずどの部位でも使用出来ます。玄関に常備、会社に常備と2つや3つ買ってもお財布に優しい所もおすすめです。
カテゴリー① 日常的に使用出来るO/W日焼け止め高SPF
ビオレ UV アクアリッチ ウォータリーエッセンス
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
こちらも紫外線吸収剤のみで構成されているタイプで白浮きしません。O/Wのみずみずしい使用感で日焼け止め特有のベタベタ感はなく安価でこの技術は凄いです。上のニベアよりもSPFが高い商品なのでニベアでものたりない方や夏場のように日差しが強くなってきた時にこちらを使用するのも良いと思います。
カテゴリー① 日常的に使用出来るノンケミカル日焼け止め
ニベアUV プロテクトウォーターミルク マイルド
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
ノンケミカルサンスクリーンと言われている商品は紫外線吸収剤ではなく、紫外線散乱剤のみで日焼け止めを作っている製品の事を指します。紫外線散吸収剤は基本有機化合物(一般的にはケミカル)、紫外線散乱剤は無機化合物(一般的にはミネラル)と呼ばれるからです。カテゴリー①の方で紫外線吸収剤が嫌な方はこちらを使用してみて下さい。上の2品よりは白くなりますが、Pepeは許容範囲でしたよ。
カテゴリー① 日常的に使用出来るスプレー日焼け止め
サンカット プロテクトUV スプレー
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
スプレータイプの日焼け止めです。こちらも紫外線吸収剤のみのタイプになっています。嬉しいポイントは使用性が高い事です。とにかく日焼け止めは毎日塗る事が一番大切ですので、時間がない時でもサッと使用出来る事は重要です。実は髪の毛も紫外線のダメージを受けますのでサッと髪の毛に少し使用するだけでカラーの色持ちがよくなったりもしますよ。
カテゴリー②日常生活プラス野外で1~2時間活動する方
基本は屋内にいて、野外部活をする学生、ジョギングやランニングをするOL、主婦の方は②に該当します。
カテゴリー②に該当する方はPepe的には基本W/Oの日焼け止めをおすすめします。
理由:基本は汗をかく事が多いのでW/Oは汗や皮脂に強い事、あと活動中に塗り直したりすることがなかなか出来ないシチュエーションが多いと思いますので、被膜を形成してくれる成分なんかが入っている方が良いです。
カテゴリー② スポーツや野外活動をする方向けW/O日焼け止め
花王 ビオレUV アスリズム サンバーン プロテクトミルク
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
日差しに対して効果の高い紫外線吸収剤が配合されているので、日が当たる場所でもUVカットの能力が落ちないように設計されています。スポーツを屋外で行い太陽光で炎症が起きる事も考えて抗炎症効果の高い成分も配合されていますので、まさにスポーツ用の日焼け止めに特化している製品だと思います。オリンピックと同時に2020年発売された素晴らしい商品ですが、オリンピックの延期やコロナの影響であまり日の目を見ていないアスリズム!シリーズ全体的に素晴らしい処方になっています。
カテゴリー② 紫外線を美容効果へ変換W/O日焼け止め
アネッサ デイセラム
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
紫外線吸収剤と酸化亜鉛等の紫外線散乱剤の組み合わせ処方です。使用感は薄く綺麗に伸びる感じで良いですね。カテゴリー①でも良いのですが、日常的に使用するには価格が厳しいかなと思いました。金銭的に余裕のある方はこちらをデイリーユースにされると良いと思います。藻類由来のSpirulinaエキスと天然鉱物由来の蛍光酸化亜鉛に、効率よく紫外線を可視光(美肌光)に変換する効果を見出し、紫外線による肌ダメージを回復させるとともにコラーゲンやヒアルロン酸の産生を高めることに成功したという凄い技術が入っている日焼け止めです。
カテゴリー② スポーツ特化日焼け止めスプレー
花王 ビオレUV アスリズムスキンプロテクトスプレー
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
スプレーでありながらUVカット効果は最高値のSPF50+PA++++、それプラス皮膜形成成分が入っていますので、汗や水に強い効果が期待出来ます。使用感はスプレーの良い所である突出量が一定なお陰でムラがなく綺麗に塗布する事が出来ます。使用後も石鹸や普通のボディーソープで綺麗に洗い流せましたし、紫外線散乱剤を使用していないので白さが全くありません。濡れていても使用可能なので、スポーツの合間にサッと塗る事が出来ますね。
カテゴリー③炎天下でのレジャーやマリンスポーツ
上記の方全てに当てはまります。一番紫外線が強いので必ず日焼け止めは塗って欲しいです。
カテゴリー③に該当する方はPepe的はW/Oの日焼け止めかつ高SPFかつ汗や皮脂に強いタイプをおすすめします。使用感が少し悪かろうが機能重視です。未来の老化は皆さんの日焼け止めを塗るかにかかっています。
カテゴリー③ レジャー向け日焼け止め UVカット最高値製品
ALLIE(アリィー) クロノビューティ ミルク
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
カネボウさんが威信をかけてリニューアルしたアリー、ミルクタイプ良いですね。ジェルの方も好きな感触ですが、レジャー用であればこちらをおすすめします。汗・水 こすれに強くきしまないUVミルクとありますが、酸化亜鉛が高配合にも関わらずキシむ事無くスムーズに伸びが良く塗る事が出来ます。サンゴの白化問題でハワイで使用禁止になったメトキシケイヒ酸エチルヘキシルを無配合する事により、ビーチフレンドリー処方を実現しています。皮膜効果の高い成分を上手く配合してロングラスティング効果を発揮させていると予想しています。
カテゴリー③ レジャー向け日焼け止め UVカット最高値製品
資生堂 アネッサ パーフェクトUV
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
言わずと知れた金のアネッサ、資生堂さんの技術力の結晶です。Pepeが凄いと思うポイントはかなり大量の紫外線散乱剤(酸化亜鉛=白い粉体)が入っているにも関わらず粉感がない事です。資生堂さん以外の会社ではこんなに大量の粉体を入れる事が出来ないと思います。仮に入れたとしても商品が真っ白でモチャモチャ感触の白いバターみたいな製品になってしまいます。耐水性も最強です!アクアブースターという技術で水に濡れると更にUVカット効果があがります。Pepeも実際に水に濡らした後SPFアナライザーで測定してみたのですが、本当に効果が上がります!!凄い技術です!
番外編 レジャー向け日焼け止め スティクタイプ
資生堂 クリア サンケア スティック
化粧品原料プロ視点おすすめポイント!!
最近密かに流行ってきているスティック日焼け止めです。片手で手軽に塗れるという事と、紫外線吸収剤のみで構成されている(白い粉の散乱剤が入っていない)ので衣服が汚れにくい所も長所です。首や腕にさっと塗っておでかけという方にも非常に良いです。処方的には水が入っていない処方で、ヒドロキシステアリン酸(固めるテンプルと同じ油分硬化剤)でスティックにしています。水にはかなり強いので、汗をかく夏にはもってこいの製品です。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
化粧品原料を理解しているPepeが紫外線吸収剤不使用の製品を別ブログで解説しています。是非ご興味のある方は参考にしてみて下さい。
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